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最新作 パンチングメタル
28.09.2010 (Tue)

久し振りの竣工プロジェクトのニュースが香港オフィスから届く。Edouard Malingue Gallery : アート作品を展示するギャラリーである。OMA香港オフィスが開設されてからちょうど一年目にして、初の香港でのプロジェクトが完成した。

とても小さなスペースなのか写真では全体像が掴みきれないが、天井むき出しのエントランススペースが展示スペースであるホワイトボックスを取り囲んでいる。展示スペースそのものとして特に目新しいことは無さそうだ。敢えて言うとエントランススペース等で使われているパンチングメタルが気になるところ。

最新作 パンチングメタル_d0183261_901680.jpg


このギャラリーでのパンチングメタルの使い方はとてもあっけないものだが、香港オフィスでは去年 殊海学院キャンパスコンペを獲っていて、このコンペ案でもファサード全体がパンチングメタルで覆われている。こちらはもっと色々な挑戦をしている。

日本が好景気に沸いた80~90年代にかけて伊東豊雄等が盛んに挑戦したこの材料は今再び好景気の沸く香港で日の目を見る。パンチングメタルはそんな時代の空気を映し出す風通しの良い材料なのかもしれない。

最新作 パンチングメタル_d0183261_8584967.jpg


Top▲ | by murakuni1975 | 2010-09-29 09:09
ツボが知りたい
27.09.2010 (Mon)

良くビールを飲みに行く割りと気の合うニュージーランド人の同僚は週末もなく、日曜の午前中からずっと働き続けている。夕方ようやく家に帰れることになったので一緒にバーへ行こうと誘われる。

チームは違うが、彼はマスタープランの計画を担当し、僕はファサードのディテールスタディを進めている。全くスケールの異なる分野をお互いが経験しているので色々と情報交換をするのがいつも面白い。

彼は大学でも都市計画をメインで勉強していた。国際コンペに入賞した作品などが載っているポートフォリオを見せてもらい、彼の都市への考えを色々と聞かせてもらう。

そんな彼の影響もあり最近マスタープランにとても興味はあるのだが、実はその楽しみ方がまだよく解かっていない。数多くあるOMAのプロジェクトを見ても上手くのめり込めない。きっと一つにはその楽しみのツボが解からないからなんだと思う。そのツボが知りたくて、自分自身のマスタープランへのツボを探し出したくて、今日も様々な質問をぶつけてみる。

ここに集まっているアーキテクトやインターンは多かれ少なかれ建築の中でもそれぞれの得意分野をもっている。そんな魅力的な仲間とビールを飲みながら建築のツボについて話すのはインターン生活のなかでも貴重な時間の一つだ。


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Top▲ | by murakuni1975 | 2010-09-29 08:06
反動
26.09.2010 (Sun)

昼過ぎ久し振りの休日出勤。自分の仕事を終えよその机を廻り、他のチームがどんなことをしているのか聞いて歩く。どれも面白そうなプロジェクト。

夜、先日会った京都の大学生たちに再会。ヨーロッパの色々な国を廻って来たと言う。どこも面白そうな国々。

そんな刺激を貰うと反動で思う。どれもこれも面白そうだけど自分ができることを自分のペースでじっくりやろう。
Top▲ | by murakuni1975 | 2010-09-28 09:45
CASA DA MUSICA
25.09.2010 (Sat)

建築は考え扱う範囲がとても広い。

古代から脈絡と続く建築史におけるそのプロジェクトの位置付け、現代の経済、社会状況を踏まえた都市に対するアーギュメント、クライアントから要求されたプログラム、構造や設備に関する工法、マテリアルやディテール・・・等など。

その異なるスケールを飛び越えて一貫した態度が見られるプロジェクトに出会ったとき僕は感動を覚える。そんなプロジェクトはOMAの中でもそれほど数多い訳ではない。だけどカーサ・ダ・ムジカは間違いなくそんなプロジェクトの一つである。

今では写真がこのプロジェクトと全てとして語られることが多い。それでも十分魅力的なのだが、1999年に行われた際のコンペ案を見るとその核となる部分がよりはっきりと見えてくる。a+u2000年5月号臨時増刊に詳しくコンペへ提出した資料が紹介されている。

*  *  *

00. 宣言

まずはじめに建築家はこれから挑戦しようとしている課題を高らかに宣言する。

How to make a serious building in an age of icons?
象徴の時代にどのようにして純粋な建築をつくるか?
How to make a Public Building - or a Building Public - in the age of the market?
市場の時代にいかにして公共建築あるいは建築による公共をつくるのか?
A building without nostalgia, not even for Modern Architecture?
郷愁によらず現代建築にもよらない建築とは?
A European building for Portuguese site ?
ポルトにおけるヨーロッパの建築とは?


詩の様に美しいこの短い宣言文によってこのプロジェクトの意図がずべて表現されている。ここには時代に対する端的な批判そして自身の回答が示されている。この問いは建物が竣工する最後の最後までプロジェクトの全てのフェーズに渡って何度も繰り返しチームに向かって問い直され続けていったのだろう。

どんなに複雑で大きなプロジェクトでもこの様な宣言をもって意図を伝えることは、建築家にとって最も大切な役割の一つである。

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01. 都市リサーチ

ポルトの広域な都市圏における敷地(ボアヴィスタ・プラザ)の位置付けを7つのダイアグラムで示す。都市の分析は決して事実の羅列で終わることはない。僕には少し抽象的に感じられるが、それでもはっきりとしたアーギュメントとともにこの都市リサーチを締めくくっている。

Through both continuity and contrast, Boavista Plaza, after our intervention, is no longer a mere hinge between the old and the new Porto, but becomes a positive encounter between two different models of the city.

連鎖と対峙を経て、ボアヴィスタ・プラザは、われわれが介入した後、もはや新旧ポルトの単なるつなぎめではなく、二つの異なる都市形態の能動的な出会いとなる。


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02. ヴォリューム

スケールをぐっと落とし敷地に置くボリュームそして都市との関係についての回答を示す。ダイアグラムがとてもシンプルで解かりやすい。もともと住宅のために考案されたこのヴォリュームは突然コンペ案として変換された。そんな経緯の中この文章が生まれた。

By considering the building as a solid mass from which we eliminate the two concert halls and all other public facilities, we create a hollowed-out block as exciting for those outside the block if the building as it is for those inside.

均質な塊から二つのコンサート・ホールとその他公共機能をとり除いた建物を構想。刳り貫かれた建物をつくることで、建物の内部でも外部でも人々を楽しませる。

It reveals its contents without being didactic; at the same time it expose the city in a way that has never happen before.

それは啓蒙的な意味ではなく、その容量のみを示すもので、同時にこれまでなかった方法で都市の姿を見せている。



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*   *  *

コンペの資料はまだまだコンサートホールの歴史、工法、サーキュレーションと同じ様な勢いで続き、どの領域でもはっきりとしたアーギュメントが読み取れる。

このコンペから六年が経った2005年に今僕等が見る姿として公開された。このプロジェクトの核を重ね合わせながら、いつか実際の建物、そしてそこで行われているコトにふれてみたい。
Top▲ | by murakuni1975 | 2010-09-26 20:26
NYに行けなかったトルコ人が見ている夢
24.09.2010 (Fri)

仕事が終わったあと同じチームに三週間前から加わったトルコ人とビールを飲みに出かける。

彼女は積極的に色々な人と交流を持ち誰にも隔たり無く質問をぶつけたりできるタイプでそこがとってもいいところ。フルブライト奨学金まで獲得しコロンビア大学院に合格したのだがどうしても金銭的に厳しいということで泣く泣くアメリカ行きを断念した。それでもトルコでは学べない建築を求めOMAのインターンにアプライしチャンスを得た。

彼女はヨーロッパと日本の設計事務所で実務経験を積んで地理的、文化的にもその中間である故郷のトルコで自身のオフィスを持つのが夢だという。

今日色々と日本のアトリエの実情について質問をされた。僕も詳しい訳ではないのであまり細かなことを伝えることはできなかったのが残念だ。
Top▲ | by murakuni1975 | 2010-09-26 08:25
PRADA SPRING SUMMER 2011
23.09.2010 (Thu)

オフィス内メールでPRADA SPRING SUMMER WOMENS WEAR SHOW 2011 の招待状が届く。といっても残念ながらミラノに招待された訳ではなく、PRADAのウェブサイトで中継があるので是非見てくださいというお知らせ。

まじめにファッションショーを初めから最後まで見たことは無かったため今日がはじめての体験。AMOが手がけたステージそしてPRADAの新作、それに情熱的な女性ボーカル・・・とても刺激的で新鮮な時間だった。

渋い弦の響きに続き、蛍光灯が一斉に点灯し暗闇の中で長い長いキャットウォーク全体がハチパチと火花の様に輝く、そしてまぶしいオレンジ色のワンピースを着たモデルが登場。このあまりにも美しいこのオープニングでもう頭はパンク状態。

*  *  *

写真やドローイングを通じて意図を伝え、長年存在し続ける建築はとても動きの乏しい静的な存在である。それに対してファッションショーは数十分の中に本当に様々な要素をぎっしり詰めこんだとてもスピーディで動的な存在だ。

あまりに多くのことが同時に起こるので建築のゆっくりとした時間にすっかりなれた僕の頭では吸収しきれないことが多くおぼれそうになる。ショーが終わったあとビデオがPRADAのウェブサイトにアップされていたので何度か見てようやく何が起きていたのかがぼんやりとわかってきた。

このおぼれるような感覚は何かに似ている。映画を見た時に感じるそれだ。僕はあまり映画を見るのが得意ではない。音楽あり、ストーリーあり、美しい映像あり、そして字幕ありだとあれもこれもで着いて行くのが大変だからだ。映像に釘付けになるとストーリーがイマイチ解からずじまいだったり、その逆だったりする。僕はとてもゆっくりした瞬発力に乏しいタイプだからだ。

比べるのもなんだが、レム・コールハースはかなり瞬発力のあるタイプである。そしてもちろん映画への造詣も深い。若かりし頃、映画の脚本を書き自身で出演したことがあるほどだ。そんな根本的な瞬発力を持つ彼にとって静かでゆっくりとした建築の世界は時として退屈を覚えることがあるのかもしれない。今では映画を作っていない彼が、その瞬発力を発揮できる場として年に二度あるPRADAのステージデザインはとても重要な意味をもっているのではないだろうか。

一度でいいから本物のショーでその迫力を体験してみたい。

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Top▲ | by murakuni1975 | 2010-09-24 06:47
普段通りの夜
22.09.2010 (Wed)

夏は10時過ぎまで明るいロッテルダムも最近はどんどん日が短くなっていて、最近はオフィスを出るころにはすっかり暗くなっている。

今日はお月見。オランダではとてもきれいな中秋の名月が見れた。ルームメイトの台湾人はわざわざ隣町のデルフトまで行き台湾人の友達同士で集まりパーティを開いたそうだ。日本でも今夜は静かに月を愛でる風習があると教えると喜んでいた。

それでも、オランダ人は特に年に一度の名月を気にすることなく普段通りの夜を過ごしている。誰かにとっても特別な状況は他の誰かにとっては何でも無い状況である。
Top▲ | by murakuni1975 | 2010-09-24 05:47
Berlage Institute
21.09.2010 (Tue)

日本の大学よりベルラーヘを視察に来た建築の先生お二人に会う。日本の建築教育の状況をお聞きしたり、僕等がベルラーヘで経験したことを色々と聞いてもらえたりと、とてもいい時間を過ごすことができた。

「建築の学生に何を教えるのか」ということはとても大きな課題であると思う。世界的には建物のデザインそのものよりリサーチや建築のプロジェクトにたどり着くまでのプロセスを重視した教育機関が増えてきて注目を集めているのは確かだ。

だけどそれだけが全てではない。ベルラーヘのような機関は既に建築の基礎教育を終えて実務経験がある人も多く参加しているし、ものすごくターゲットを絞った特殊な教育機関である。

そのため建築を始めたばかりの学部生を教育し建築の全体像を幅広く見せる日本の大学とベルラーヘの違いは大きい。何かベルラーヘから学べるとしたら、それは教育内容そのものではなく、学校独自の強いキャラクターを確立するというスタンスのことなのではないかと思った。
Top▲ | by murakuni1975 | 2010-09-23 05:16
溶けるファサード
20.09.2010 (Mon)

今オフィスではファサードのデザインを検討中。色々な新しい材料や工法を調べたりそれを立面やコラージュに反映させてスタディしたりしている。

今日たまたまメンバーの一人が面白い写真を見つけた。なんだこのガラスが溶けたような不思議なファサードは?

青山のプラダのファサードよりさらに曲面の自由度が増し有機的でかつ未来的な雰囲気を持つこのガラスはH&dM設計のハンブルクのコンサートホール"Elbphilharmonie"。

世界の最新ファサード事情を調べていくと最近はこの写真のような自由曲面をもつパネルを持つプロジェクトがよく見られる。ただのカタチの実験に終わせずにこの先にどんな発展がまっているのだろうか?

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Top▲ | by murakuni1975 | 2010-09-22 05:54
Hungry City
19.09.2010 (Sun)

NAiのブックショップで立ち読みをしていたら面白そうな本を見つけた。Carolyn Steel著の"Hungry City"。農業の発展と共に都市は生まれたと言っても過言では無い。

農業と都市の関係に興味を持っている建築家である彼女は歴史的に農作物がどこでどのように栽培され、どの様なインフラを用いて都市に供給されて、どう各家庭のキッチンまで行き渡って行ったのかを分析している。

例えば、鉄道に発展に伴いその関係は大きく変化を見せる。そして環境問題や急激な都市化を迎えている今その関係をどう考えるか・・・等など。

この本で彼女は答えを提示してはいない。そのかわりに食料と都市は切っても切れない関係があるという忘れがちな事実を明確に示している。

僕等がベルラーヘのスタジオで取り組んだ課題と同じ問題意識を持つこの本に興味を持った。スタジオが終わってから二ヶ月が経つ。少し冷静になって自分が取り組んできたことを見つめなおす意味でも読む価値がありそうだ。

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Top▲ | by murakuni1975 | 2010-09-20 08:09
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