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真っ赤な箱
30.08.2010 (Mon)

週末にかけてベニスに行っていたスタッフが帰ってきて大分活気が戻ってきた。そしてオフィスにあの金獅子もやってきた。真っ赤な箱に入って机の上に置かれている。残念ながら今日は中を見ることはできなかった。

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Top▲ | by murakuni1975 | 2010-08-31 09:00
架け橋
29.08.2010 (Sun)

三年前に退職した前の設計事務所の同僚の訃報受ける。突然のことで本当に驚き未だに信じられない気持ちで一杯だ。

*  *  *

レム・コールハースは金獅子賞を受賞し、スター建築家だとメディアや建築関係者が羨望の眼差しで彼を見つめ彼の設計した建物を賞賛する。

その建物は誰が設計したものなのか?もちろんレム・コールハースが設計したとも言える。彼のアイデアや重要な判断が働いて最終的な形にたどりついたに違い。

しかし、それと同時にもちろん多くのOMAのアーキテクト、インターンシップの力によって建物の設計図は生み出される。さらに言うとOMAだけは全ての設計図書は描ききれない、構造や設備、外構の協力事務所との連携があってはじめて設計図書が出来上がる。そしてゼネコンがいて初めて建物が実際のモノとして立ち上がる・・・

つまり、建築は巨大な渦巻きのような共同作業なのだ。決して個人で生み出せるものではない。建築家は渦そのものではなく、渦の中心の点に過ぎないことを忘れてはならない。

*  *  *

訃報を受けた同僚は、設備のエンジニアだった。建築設計事務所に置いてそのコンセプチャルなデザインとプラクティカルな設備設計をつなぐ架け橋のような存在だった。彼のようなエンジニアの存在はスター建築家同様、建築の文化を支えている大きな存在である。

彼がいなければ僕等のデザインは何も実現しなかった。彼と巨大な渦巻きの中で戦い続けた経験は今でも僕の宝モノである。

心よりご冥福をお祈りいたします。
Top▲ | by murakuni1975 | 2010-08-31 08:36
The Golden Lion for lifetime achievement
28.08.2010 (Sat)

インターンを始めてから初めての給料が出た。留学準備を始めるために日本での仕事や辞めてから早いもので既に三年が経つ。本当に久し振りに貰う給料だ。今まで色々と支えてくれた家族のために何かを送りたくて買い物に出かける。今日本にいる二歳半の娘のために小さな赤い靴を買う。

*  *  *

夜OMAのホームページにはレム・クールハースがベニスにて金獅子を受賞した際のスピーチがアップされている。彼が素直に受賞の喜びを述べるとは思えない、何か言ってくれるはずだと期待してた。やはり期待通り決めてくれた。

「未だキャリアの半ばである私が、生涯の功績を讃える意味をもつこの賞をもらえたことはとてもすばらしいことだ。この賞は私のこれからのキャリアを激励するものだと解釈したい。」と皮肉とも付かないとてもスパイスの効いたコメントを述べる。

離れてスピーチを聞いている受賞を推薦した妹島和世は、おそらく彼女にも向けられたことコメントを理解したのかしていないのかわからないが何となくポカーンとした感じて聞いている。

"It is a really wonderful moment to get a lifetime achievement award in the middle of my career. I will certainly treat it as an encouragement for further action. Thank you."

The Golden Lion for lifetime achievement _d0183261_843020.jpg


Top▲ | by murakuni1975 | 2010-08-30 08:47
ベニス、ビール
27.08.2010 (Fri)

昨日の敷地見学の前にクライアントとのミーティングがあり一段落したため今日はチーム内の仕事の割り振りの再編成。いよいよファサードデザインが本格的に始まることになるそのメンバーに加わる。まずは色々な材料の調査やそれに基づくイメージ作りを行いそれをまとめてブックレットを作る予定。

ベニス・ビエンナーレも開幕しAMOメンバーやベニス担当者が現地入り、スタッフの中には今日休暇をとり週末にかけてベニスの開幕を楽しむ者も多い。そのためオフィス内は少し閑散とし、リラックスムードが漂う。しかもOMAのホームページではリアルタイムでドンドン新しいベニス関係の動画や記事がアップされちょっとしたお祭り気分。

ロッテルダムに残されたスタッフもせっかくなのでということで夕方ちょっとしたビールパーティが開かれた。その流れでインターン同士で夕食に出かける。9月に入ると夏季休暇も終わり大学に戻るという学生も多い。来週は3人のインターンが去る。

ベニス、ビール_d0183261_722457.jpg


Top▲ | by murakuni1975 | 2010-08-29 07:26
敷地見学
26.08.2010 (Thu)

僕等が進めている"STADSKANTOOR"は敷地がOMAのオフィスから最も近いプロジェクトである。おそらくは歴代のプロジェクトの中でも一番近所の敷地にあたるのではないだろうか。

敷地はオフィスから徒歩10分くらい距離にである。今日は保存されることになる建物を見せてもらえるチャンスを得たためインターンである僕も含めチーム全員で敷地見学。

完成後の建物は増築建物の低層部分及び既存建物が市役所として使われ、中層部分が民間企業への貸しオフィスそして上層部分が住宅となる。ロッテルダムの中心でありとても便利な場所。しかもそれほど高層の建物に囲まれているわけでは無いのできっと住宅部分はとても見晴らしのよいリッチな住空間になるのではないだろうか。

敷地見学_d0183261_713084.jpg


Top▲ | by murakuni1975 | 2010-08-29 07:06
本物
25.08.2010 (Wed)

35歳のインターンというタイトルをつけていたが実は昨日までは34歳だった。今日は35歳の誕生日。別に誇れることでも何でも無いけれど、これで正真正銘本物の35歳のインターンとなった。

今日は早く帰ってケーキでも買って食べようと思っていたが、案の定ここ最近で一番の忙しさ。それでもチームのメンバーでデリバリーのピザを食べ楽しいディナータイムを過ごせたのがのが救い。

ちょうど二年前の誕生日にブログを書き始めたことを思い出す。これからもどれだけ続けられるかわからないが、できる限り日々色々考えた事を言葉として記録していきたい。

嬉しいことに最近は以前に比べ多くの方にこのブログを読んでもらえていることはとても励みになる。皆さんいつもどうもありがとうございます。そして今後ともよろしくお願いします。

*  *  *

ちなみに僕が生まれた1975年にロンドンにてOMAは設立されている。

本物_d0183261_9274914.jpg


Top▲ | by murakuni1975 | 2010-08-26 09:27
8 HOUSE
24.08.2010 (Tue)

OMAに来る前コペンハーゲンのBIGに一年間いたオランダ人が僕等のチームにいる。彼はBIG在籍中 "8HOUSE" というプロジェクトを担当していた。その "8HOUSE" は先週末に竣工を迎えたそうで彼はオープンセレモニーに出席するためデンマークに行っていた。

今日写真を色々と見せてもらう。とても複雑な形態とプランニングながらすっきりとまとめられている印象。何がそんな印象を生み出している要因なのかとても気になる。材料か?窓か?

形のシンプルさや線の少なさといった種類のミニマリさとは異なる独特のミニマルさがこの建物には感じられる。

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Top▲ | by murakuni1975 | 2010-08-26 08:54
仲間
23.08.2010 (Mon)

今週はクライアントミーティングがあるのでそれに向けて準備を進める。様々なダイアグラムを作成したり図面を修正したりしている。

夜、違うチームのインターンが締め切りを終えたため、僕は直接関係ないがその打ち上げとして近所のトルコ料理屋へ。先日発表になった香港のコンペについて色々意見交換をしたりOMAの作品について色々と考えていることを話会ったりと中々面白かった。

OMAという実態はあるようで無い。世界中から集まり短い期間で直ぐに去っていくインターンやアーキテクトがOMAという状況を作り上げているだけである。誰もがOMAを熟知し留まっている訳ではない。本当に短い期間にOMAというレーンを共に走り通りすぎるだけである。

たまたま同じ時期に居合わせたそんな仲間達と意見を交わし会うということが本当の意味でOMAを知るということなのかもしれない。
Top▲ | by murakuni1975 | 2010-08-24 09:33
都市はそんなに美しいだけなのか
22.08.2010 (Sun)

West Kowloon Cultural District / Foster+Partners 案

彼等のメインアーギュメントは、「都市は単体の建物ではなく公園、パブリックスペース、賑わいのあるストリートがあった初めて成り立つ。」というもの。その意味で今香港に最も欠けているものは都市スケールの公園であり、そのため今回の敷地こに大きな都市公園を計画するというのが彼等の提案だ。タイトルはずばり"City Park"。彼等の提出したコラージュのうちメインとして用いられたのがこれである。

都市はそんなに美しいだけなのか_d0183261_8434640.jpg



フォスターは今から25年も前にあの香港上海銀行を竣工させ、その後も香港の玄関口となる国際空港のデザインも手がけた。さらに、何年も前から今回のコンペに敷地を対象にした計画案を何度も発表している。そんなこともありフォスターにとって香港は非常になじみの場所であり、このコンペへの意気込みもかなりのものだろうと想像が付く。

コンペ以前に発表された案
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一般的に言って、状況に詳しくなればなるほど視野が狭くなり物事を狭く深く複雑に捉えがちになる。ところがフォスターはさすがに歴史に残る建築家だけある、彼は下手に取り乱すことなく非常に思い切りよく単純すぎるほど単純に案をまとめる。

海岸線に平行に敷地を二分し、海側を全て緑地公園、都市側を全て要求された建物ボリュームとした。その結果巨大な都市公園が生まれる。うすさく、汚染源でもある自動車交通は全て地下へ配置し地上は歩行者だけの空間となる。文化、商業施設と緑に溢れた賑わいのある都市空間が生まれるという案だ。わかりやすい。そして魅力的な都市のような気分になりそうだ。

都市はそんなに美しいだけなのか_d0183261_8585341.jpg



だけど、待てよ。何かが引っかかる。汚染源である自動車は地下へ追いやり、地上に物事のいい面だけをもたらすという手法では物事の本質は何も変わっていないのではないか?

別に自動車が無くなった訳でもない排気ガスが減った訳では無い。だた減ったように市民が感じ緑が豊かで都市は健全であると感じるだけである。

21世紀の都市を考える、つまりポスト工業化社会を考える僕等はもはやこの物事の裏側を無視するということはできないのではないだろうか?その問題点に正面からぶつかりそこに答えを見出す挑戦が必要である。臭いものに蓋をする鮮やかな方法ではなく、臭いものをどうするのかという挑戦が見たかった。それは別に自動車だけのことを指している訳ではない。

残念ながらフォスターの案からはそれを見ることができなかった。未来の都市はSF的なピカピカした流線型の建物に溢れた状況では無いはずである。しかしフォスターの案はそれに近いものである。それは20世紀が夢見た未来の姿である。
Top▲ | by murakuni1975 | 2010-08-24 09:05
ピクセル化
21.08.2010 (Sat)

最近のOMAのデザインに見られる傾向を一言でいうならピクセル化と言えるのでは無いか。

自由な角度をもった多面体で構成されるデザインはシアトルライブラリーやカサ・ダ・ムジカそしてホイットニー美術館増築案を頂点として落ち着き、近年は立方体もしくは直方体を重ねたようなデザインが多く見られる。

何を意味しているのだろうか?わからない。でもそういった傾向があるように思う。ジェネリックなピクセルで全体を構成するというのは、レムの批判するフリーな形態の建築が乱立する建築のアイコン化に対しての一つの答えなのかもしれない。しかしそんな単純なこと意外にも意味があるような気もする。

調べてみるとこのピクセル化は最近に始まったことでは無いようだ。なんとレムがエリア・ゼンゲリスとともに1975年から1978年にかけてAAスクールで指導したスタジオの学生作品には多くのピクセル化が見られる。

PRPJECT OF THE STUDENTS OF DIPLOMA UNIT 9
DIRECTED BY REM AND ELIA AT THE AA SCHOOL, 1975-1978
ピクセル化_d0183261_11411113.jpg



その後はスロープや前述の多面体を初めとするデザインが主流でしばらくピクセル化は登場しないが2004年の新宿の"IDEA VERTICAL CAMPUS"コンペ案で再び登場。その後、2009年タイ・バンコクの"MAHANAKHON"、同じく2009年ロッテルダムの市役所増築案"STADSKANTOOR"とピクセル化が続いている。

IDEA VERTICAL CAMPUS, 2004
ピクセル化_d0183261_11161454.jpg


MAHANAKHON, 2009
ピクセル化_d0183261_11115572.gif


STADSKANTOOR, 2009
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純粋な形をピクセルがくり貫くパターン、ピクセルが緩く不確かな全体のアウトラインを形成するパターンが今のところ見られるが、このピクセル化の傾向は様々な方向へ発展が考えられそうだ。

ただもともと自由な形態への批判から00年代半ばに再び登場したこのピクセル化はおそらくその登場の理由からしてあまり、激しい形態へは発展しないような気もする。

*  *  *

などということを最近考えていてぼんやりとネットを見ていたら衝撃を受けた。イギリスのアーティスト、アントニー・ゴームリーは人間の形態をピクセル化した作品を同じく00年代半ばに発表している。彼は通常つるっとした表面の彫刻を制作しているが、この時期人体を直方体の集合として表現したピクセル化作品を幾つも生みだしている。

その佇まいはOMAのスタディ模型にしか見えない。良く見ると人だとかろうじて気が付く。建築家もアーティストもある時代の空気感により何かを共有しているということなのか。文明にしろ発明にしろデザインにしろ何かは世界同時多発的に生まれるものなのかもしれない。

SETTLE, 2005
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Top▲ | by murakuni1975 | 2010-08-22 11:48
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