人気ブログランキング |
Top
新ブログ
新たなスタートととも新ブログを始めます。

To The Happy Few

これからも、今まで同様、よろしくお願いします。
Top▲ | # by murakuni1975 | 2011-01-16 17:01
最終日
23.12.2010 (Thu)

The ambition of this project is to rid architecture of responsibilities it can no longer sustain and to explore this new freedom aggressively.

Strategy of the Void, Rem Koolhaas

*  *  *

本当にあっという間にこの日が来た。
今日でOMAでのインターン生活は最後となる。

6ヶ月弱の生活で知り合った世界中の仲間達、経験したことや考えたことはきっとこれからの生活で大きな糧となるだろう。

そしてこのブログを通じてものすごく多くの人達との出会いがあった。普段は決して知り会え無いような方々とメッセージを交流し会ったりできたことはとても嬉しいことだ。

日本にいないからこそ、日本の方々と知り合えたという不思議がこのブログを続けてきた最大の意味だったと思う。そんな、いなければいないほど大きな存在に成り得るというパラドックスこそが僕ら1975年世代の大きな力なのではないだろうか?

皆さんこれまで本当にどうもありがとうございました。


最終日_d0183261_1654380.jpg


Top▲ | # by murakuni1975 | 2011-01-10 16:42
映画とアイス
22.12.2010 (Wed)

模型と本は順調に進んでいる。最後の最後で僕らのチームは結構忙しい一週間を過ごしている。

オフィスのすぐ近くに住む学生時代の友人宅へおじゃまする。映画を見てアイスを食べようという企画なのはよかったのだが、どんどん話が脱線してどの映画をみようかという選択で数時間、そして選んだ映画がなぜか三時間近い映画で見終わったとこにはすでに皆半分眠っていた。

HERMITAGE 2014, ST PETERSBURG, RUSSIA, 2008
映画とアイス_d0183261_15361931.jpg


Top▲ | # by murakuni1975 | 2011-01-10 15:37
クリスマスイルミネーション
21.12.2010 (Tue)

残された三人での作業が続く。夕方には明日から休みに入る他のチームメンバーと飲みに行く。

オフィス全体、人が少ないので今まであまり話したことがなかった仲間からも声がかかる。今日はフランスチームの人が多くいろいろな話が聞けた。とにかく皆OMAでの在籍年数は短い。数カ月や長くても2年くらいだ。それでもオランダに長くいるという人も多い。そんな人達から他の事務所の話を聞かせてもらったりする。

帰り道、ロッテルダム駅近くの工事現場を通ると、暗い現場の中にぽつりとクリスマスのイルミネーションが置かれていた。
Top▲ | # by murakuni1975 | 2011-01-10 15:23
休みムードが漂う最後の一週間
20.12.2010 (Mon)

今週からすでにクリスマスホリデーに入っているメンバーが沢山いる。半分くらいは既にオフィスにいない。残されたメンバーもクリスマス気分でとってもリラックスしたムードが漂う。

例えば同じチームのメンバーのひとりは一ヶ月アルゼンチンに里帰りしたし、ルクセンブルク人も二週間の休暇をとっている。彼はつい九月に三週間のインド旅行を済ませて帰ってきたばかりのような気もするがすでのクリスマスシーズンになっているのでまたホリデー。

たっぷり休んで、たっぷり集中して働く、こんなメリハリの効いた一年を彼らは過ごしている。

そんな中、僕らのチームに残された三人は、今のうちに自分たちできることをいろいろやってしまおうと本を作ったり、模型を作ったりする計画をたてる。人も少ないし静かなので今週は作業がはかどりそうな予感。
Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-31 00:21
反「内輪の語法」
19.12.2010 (Sun)

ベルラーヘの卒業生は二年間に行った活動を一冊の本として製本する。そのためのデータを年内に学校へ提出する必要がある。まだ完全にまとまっていないのでその最後の調整に明け暮れる。

半年間寝かせた後、外からベルラーヘの活動を俯瞰的に眺めると、なるほどこんなことをやって来んだと改めて理解が深まる。

活動のど真ん中にいて必死で何かをしているどどうしても目の前のこと、近くにいる人の声で頭がいっぱいになる。本当はそれだけでは無いと解っていてもどうしてもその縛りから抜け出せなくて視野が狭く深くなる。

それが何かを学ぶということなのかもしれないが定期的に大掃除をするように、集中した活動を一度寝かせたり、距離を置いたりして俯瞰できるようになりたい。

内輪の語法を操り排他的なポーズをとりそれが専門家だと勘違いをするような建築家だけにはなりたくない。プロとしての専門性を高めることと、内輪の語法を操ることは決して同義では無いということを忘れてはならない。

OMA / NANCY ARTEM CAMPUS, FRANCE, NANCY, 2006

反「内輪の語法」_d0183261_6431567.jpg


Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-26 06:45
Snowball Fight
18.12.2010 (Sat)

オランダでは珍しいくらいの大雪がふっている。飛行機が飛ばなかったり、電車ストップしたりして結構な混乱が起きているらしい。

昨日の昼間、雪がパッと降り止み雲の切れ間から一時、日が差した。その隙をついてオフィスの皆が駐車場に出て雪玉を投げ始めた。誰が敵でも見方でもないクリスマスパーティ前の白い戦い。

そんな雪合戦と、四夜連続のパーティで疲れたので今日は一日寝たり起きたりしながらぼんやりと過ごす。

Snowball Fight_d0183261_8383013.jpg


Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-25 08:39
クリスマスディナー (All of OMA)
17.12.2010 (Fri)

結局クリスマスディナーは四夜連続。最後はOMAのオフィス主催のパーティ。ロッテルダム郊外の湖のほとりにあるレストランでビュッフェ形式のディナー。

普段一緒に働いている仲間達のガールフレンドやボーイフレンドも沢山集まる。代わり映えのしないランチとは違う暖かく美味しそうな沢山のプレーが並んだことにとても幸せな気分になる。

食後はボーリング大会。みんな半分酔っ払いなので、ボーリング半分、会話半分。誰が誰の番に投げているのかもよくわからない。

最後はロッテルダムのセンターに戻り、いつものバーで大音量の音楽の明け方まで踊り狂う。


クリスマスディナー (All of OMA)_d0183261_1038484.jpg


Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-19 10:40
クリスマスディナー (インターン仲間)
16.12.2010 (Thu)

二日連続パーティが続いたので今日はゆっくり過ごそうと帰り支度をしていると、「今夜時間ある?」と声がかかる。一ヶ月程前にOMAのインターンを終了した仲間が来るというので一緒に食事に行かないかというお誘い。

ちょっとさすがにと渋った気持ちになるが、久し振りだし会いたい。その他インターン仲間と共に、トルコ料理へ。

彼女はスリナム系のオランダ人。とっても大らかで自由で人懐っこい。でも、模型はとっても荒っぽいし、Auto CADも使えない。なんだか一般的な建築を勉強している学生とは随分雰囲気の違う人だなと初めて会ったときの印象が大きい。彼女は三ヶ月だけインターンに来たインテリアを学ぶ大学院生だ。

今日話を聞いてとても納得が入った。彼女は院修了後、アフリカで安価な住宅を供給しているNPOで働きたいと考えているという。彼女の性格と行動力にとても合っていると思う。

そしてなんでOMAに来たのかという問いには、彼女がやりたいことと全く正反対のことをやっている事務所だからだと答える。それは違いを理解するということが、自分の強みにつながると考えた上での行動だった。自分は他の建築専門のインターンと違っても全然気にしない。私には私のやりたいことがちゃんとあるからいいのというどっしりと座った気持ちがある。

同じインターンでもそれぞれにいろんな目標があり多様だ。短期間とは言えそんな多様性が激流のように短い期間でどんどん押し寄せ入り混じる。それを受け入れるOMAも面白いし、そこに流れてくる多様性もまた面白い。
Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-19 10:01
クリスマスディナー (オランダ人,べルビー人の友人)
15.12.2010 (Wed)

今日は友人のオランダ人の家でクリスマスパーティ。初めて会う、オランダ人やベルギー人と一緒にラクレットというスイスのチーズ料理を食べる。ちっちゃなフライパンにチーズをのせ、特別なホットプレートに乗せ、トロトロに溶かし、茹でたジャガイモや野菜にかけて食べる。冬にはとってもあったまりボリュームもあるしヘルシー。

どこから来たと聞かれて、サッポロと答えると、半分くらいの人は、サンパウロと勘違いする。サンパウロ??あなたは日系ブラジル人?ということになる。僕の発音のせいか、都市の知名度のせいなのか定かではないが、前者であって欲しい気持ちが半分以上。
Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-19 09:32
クリスマスディナー (チームメンバー)
14.12.2010 (Tue)

今週は僕らのチーム大半のメンバーにとってクリスマス休み前の最後の週となる。皆が休みに入る前に一度食事にでかけようということでレストランへ。

まだまだ山のように課題は残されているが、日本で言うところの基本設計業務を無事終えることができスッキリした気分で休みを迎えられることになりそうだ。とは言え僕らインターンには来週いっぱいまでいろいろと作業が残されている。まあそんなことは忘れて今日は飲もう。

トイレから席に戻ると、大きな包みがテーブルに置いてある。なんだろこれは?と聞くと、なんとチームメンバーからのプレゼントだという。生まれた娘のためにとミッフィのぬいぐるみや絵本、お皿、カップなど、ミッフィグッズがぎっしりつまったサプライズプレゼント。

とても暖かい気分になった。本当にみんなありがとう。
Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-19 08:39
ウクライナから
13.12.2010 (Mon)

年末が近づいて来た。人によっては半分すでにクリスマスホリデー気分だし、年末の締切に追われて真っ青な顔をしている人もいるしなんとも慌ただしく落ち着かない雰囲気のオフィス。

そんな時にも新しいスタッフがやってくる。僕らのチームに加わったのはウクライナから来た若い建築家。よろしくお願いします。
Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-14 09:11
土壌を危惧する
12.12.2010 (Sun)

内田樹の「街場のアメリカ論」という文庫を読んだ。その中にアメリカにおけるキリスト教の歴史について書かれた章がある。

西部開拓が行われ厳しい生活が強いられていた19世紀前半、人々は教養および宗教的生活から程遠い心理状況に陥っていた。そんな社会的背景において、宣教師達は厳粛に小難しい教義を説くことを止め、より「原始的」で、より「感情的」な「恍惚感」を強調する存在に変わっていったという。

つまり宣教師たちは、小難しいセオリーを生真面目に語る存在から、インパクトがあり、大衆受けのするキャッチーな存在に変わった。そして最後は、最もアイコニックな宣教師が一時の成功をおさめた。

「原始的」とか、「感情的」だとか、なんだか今もてはやされている建築家像に似ているではないか。

今建築を受け止める土壌は、文化的な活動の枯渇した19世紀のアメリカ西部の様な状況なんじゃないか?レム・コールハースがアイコニックな存在を危惧するのは、アイコンそのものを批判している以上にアイコンを求めてしまうような土壌を危惧しているのではないか?

といつもの公園でジョギングをしながら考える。

土壌を危惧する_d0183261_8254190.jpg


Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-14 08:55
空気のような写真家 : ナン・ゴールディン
11.12.2010 (Sat)

先週末に出かけた写真の展示では、どこにでもある日常を撮った写真に批判的な立場をとるロッテルダムの次世代の写真家の作品を沢山見た。

そんな彼らが言う日常の写真を撮る元祖みたいな存在である、アメリカの女性写真家ナン・ゴールディン (Nan Doldin) の大規模な個展がロッテルダムにある写真美術館で開催中だ。同僚達と見に行く。

彼女の作品はプリントされたもの以上にスライドショーとして見せるものがメインの作品として扱われていた。彼女のセレクトによる曲とセットになったスライドにはとてもナマナマしい日常が次々と映し出される。彼女自信も大ファンだというBjorkの曲に合わせてつくられたスライドが中でも印象的だった。特にこのリンクの2:00ころから現れる若いカップルをとった一連写真がとても心に響く。

一体どうやって撮っているんだろうと思うほど、写真家はその場面から消え去っている。ものすごい迫力で映されている人達の幸せそうでリラックスした感情が伝わる。映されている人達は皆完全に写真家の存在を空気のように扱っている。それがすごいと思う。

彼女は決して戻ることのない日常の出来事を記録に留めようとシャッターを切り続ける。それは限られた生きる時間だったり、二度と訪れることの無い初恋の思い出だったり様々である。

日常と簡単に言えるものでもない。日常はいつでもどこでも簡単に転がっているものでもない。そんなことを考えさせられる。日常やいわゆる普通と呼ばれる物事の中に普通など無いという強烈なメッセージがそこには潜む。すべては二度の戻ることのない特殊な瞬間なのだ。そんなことを彼女は空気のような存在になって伝えようとしているのではないか。

例えば建築家は、彼女が成し得たように、人々の日常を支え、輝かせ、そしてなおかつ空気のような存在になり得るだろうか?


空気のような写真家 : ナン・ゴールディン _d0183261_983242.jpg


Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-13 09:23
The Big Bang Theory
10.12.2010 (Fri)

"The Big Bang Theory" というアメリカのコメディテレビドラマがオランダ語吹き替えで放送されていてとても人気らしい。友人に面白いからと強く勧められて見始めた。

オランダで使われている英語に慣れた耳には早くて聞き取りずらいが、なんとなくストーリーラインはつかめる程度には理解できる。会話のあちこちに出てくるジョークが面白いツボなんだと思うが、そこが外国人には一番わかりずらいところだ。

IQの高い物理学者のタマゴみたいな二人が住む部屋の隣に、いわゆる普通の女の子が引っ越してくる。大学や研究の世界ではどんなに活躍していても、普通の生活では、ちょっと変わったオタクとして見なされていろいろ変な失敗をしたりする。

専門バカになり、普通の人にはメッセージが届かなくなることはよくある。多くの研究や開発は、最終的には普通の人の生活の役立つために行っている。そのはずなのに、それを目指し突き詰めると、普通の人の生活からかけ離れたものになるというのが面白い。

そんなことから考えると、もっとも普通の人の生活に密着した都市や建築を勉強していて、あんまりにも小難しく、閉鎖的で傲慢なことを言っている建築家や研究者には大きな疑問を待たざるを得ない。

建築、都市の研究者にも、自分のやっている設計や研究が、例えばアパートの隣に住む女の子を少しでも笑顔にするような明解さや意味があるのか?と我に帰るビックバンが時として必要なのではないか。
Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-13 06:36
120m X 15m のビニール暖簾
09.12.2010 (Thu)

今もファサードのスタディを続けている。STADSKANTOOR(ロッテルダム市庁舎)プロジェクトには、大きく分けて二つの異なるファサードがある。オフィス・アパート部分のガラスファサードとキャンチレバーによって生まれた一階の無柱空間に設置されるファサードである。

ガラスファサードは、なんとか想像が付くため徐々にデザインは進んでいるがこの地上部はなかなか課題が多く苦戦中。連日議論を重ねいくつかの可能性を模索中。なにしろ長さ120m、最高高さ15mにもなる大きなファサードを視線が抜け、人も抜け、安全性も保ちながら、安く作らなければならない。

ちなみにコンペ案では、工場などに見られるビニール製の暖簾の用な案が提案された。これが120m続き、高さ15mにもなると考えるとちょっとすごい。どこまでこの開放性に近づけるか難しいけれどとても挑戦しがいのあるスタディが続く。

STADSKANTOOR, NETHERLANDS, ROTTERDAM, 2009
120m X 15m のビニール暖簾 _d0183261_3492482.jpg


Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-13 03:51
スタンポッド
08.12.2010 (Wed)

今日は年内最後の大きなミーティングがあった。これで大半のミーティングが終わったことになる。ミーティングラッシュだった先週と今週を大きな問題も無く乗り切れた。チームリーダーを始めチームメンバーをみなホッとした様子。来週はチームで食事に出かけることになる。日本でいう忘年会みたいなものだ。

*  *  *

今夜は友人の家に招待されオランダ料理の冬の定番メニューだという「スタンポッド」をご馳走になる。たっぷりのジャガイモとキャベツに似たみどり野菜をマッシュポテトのように潰し、茹でた大きなソーセージと一緒に食べる。とってもシンプルでいい。みんなでガツガツとじゃがいもを食べワインを飲む。満足。

スタンポッド_d0183261_3213914.jpg


Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-13 03:26
タワーとスラブのハイブリッド : BOOMPJES
07.12.2010 (Tue)

本物なのかレプリカなのか定かではないが、日曜日に偶然入った歴史博物館には、OMA初期のプロジェクト "BOOMPJES" のドローイングが展示されていた。

出版物の限られた小さな図版しか見たことがなかったが、ものずごい密度と独特の色彩を持つ実作には目を奪われこのプロジェクトについて知りたくなった。

BOOMPJES, NETHERLANDS, ROTTERDAM, 1980
タワーとスラブのハイブリッド : BOOMPJES_d0183261_8485829.jpg


*  *  *

70年代後半AAスクールで教鞭をとっていたレム・コールハースとエリア・ゼンゲリスは、アカデミックな活動から建築の実践にフォーカスするためAAスクールを離れ1980年にOMAの拠点をロッテルダムに移した。

その当時のロッテルダムOMAのメンバーには、キース・クリスチャンセンヴィニー・マースW・ノイトリングサヴィエール・デ・ゲイテル (Xaveer de Geyter) といった現在建築家として活躍しているそうそうたる顔ぶれが揃っていた。

彼らが最初に手がけたプロジェクトがこの"BOOMPJES" である。ロッテルダム市から依頼を受けたこのプロジェクトであり、OMAは戦後のロッテルダム中心部の再開発の現状、マース川と都市との関係などを切り口にリサーチを行い都市と川のエッジに建物をデザインした。

異なるかたちを持つタワーがくっ付いて並ぶ。タワーにしては低く、スラブにしては大きい、そのハイブリッドとも言えるビルディングタイプが提案されている。アムステルダムの運河沿いの街並みとも深読みできそうなデザインである。このドローイングにはリサーチのキーエレメントと新しい建物が一つのイメージとしてオーバーラップされている。

*  *  *

タワーとスラブのハイブリッドというビルディングタイプは、その後OMAのデザインの中で何度も繰り返される。

1986年にはハーグ市役所のコンペ案として、数本のタワーが連なる建物がデザインされた。たった一つの建物で大都市のスカイラインを生み出そうと試みている。

1996年にはLAのユニバーサル本社ビルで、それぞれ異なる特徴を持つ四つのタワーが繋がりこれまでのオフィスビルに見られなかった都市的な回遊性がひとつの建物の中に生み出された。

それらはすべてアンビルトで終わったプロジェクトであるがようやくこのタワーとスラブのハイブリッドというアイディアが実現に向かっている。"BOOMPJES" のドローイングに描かれたマース川の対岸では現在「デ・ロッテルダム」と呼ばれるヨーロッパでも最大規模の床面積を持つ都市のようなビルが建設中である。

アカデミックな世界から離れ、現実のプロジェクトとしてレム・コールハースが最初にデザインした建築、タワーとスラブのハイブリッドというアイデアは30年もの時を経てようやく実現されようとしている。

建築は本当に長く時間のかかる活動だ。てっとり早い成果を求めず、自身のビジョンを信じ何度も繰り返し挑戦を続ける。そんな無骨さとタフさが歴史をつくる。


CITY HALL THE HAGUE, NETHERLANDS, THE HAGUE, 1986
タワーとスラブのハイブリッド : BOOMPJES_d0183261_102496.jpg


UNIVERSAL HEADQUARTERS, USA, LOS ANGELES, 1996
タワーとスラブのハイブリッド : BOOMPJES_d0183261_9525480.jpg


DE ROTTERDAM, NETHERLANDS, ROTTERDAM, 1997-
タワーとスラブのハイブリッド : BOOMPJES_d0183261_9532825.jpg


Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-10 10:29
イタリア
06.12.2010 (Mon)

先週末まで連日徹夜で働いていたコンペチームは、月曜から水曜まで連休をもらっているという。友人のひとりから久しぶりに夕食を食べないかと誘いがあり家にお邪魔する。

イタリア人ルームメイトとその友人を交えてワインを飲みながら、イタリアのサッカー中継を見る。ひとりはナポリ出身で熱烈に応援している。そのため皆一緒になってナポリを応援。

何度も決定的なチャンスがありながらもゴールを奪えず、0-0のまま残り一分。引き分けかとみんなが諦めかけた時に、最後のチャンスをものにして決勝ゴール。この劇的な展開にイタリア人ルームメイトは大喜び。

ロッテルダムのイタリア料理屋で働くのシェフだという彼が、パスタとムール貝を料理してくれた。簡単な食材と普通の家の調理器具でもさすがにプロ。味はレストランでたべるものと変わらないクオリティ。

いい物を見せてもらい、いいものを食べさせてもらった。
Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-10 08:40
DE ROTTERDAMSE SCHOOL?
05.12.2010 (Sun)

大人しく待ったかいがあり、雪は止み少しだけ暖かい天気になる。昨日は一日部屋へ閉じこもっていた分、今日は朝から散歩に出かける。

近所にあるが今まで入ったことのなかった歴史博物館へ立ち寄る。ロッテルダムの歴史がとてもよく整理されていて面白い。特別展では "DE ROTTERDAMSE SCHOOL?" と題したロッテルダムの写真家の大きな展示が行われていた。

80,90年代くらいから何気ない日常のワンシーンを切り取った写真をプロの写真家が作品として発表し大きなムーブメントとなった。それに並行したデジタルカメラの普及とともに素人でも簡単にそれらしい、アートっぽい写真が撮れるようになってきて、今や写真家と素人の境界がぼやけ始めている。

そんな状況下にあってロッテルダムの若い世代は批判的な立場を取る。本来写真家とは、他の誰も見たことのない絵を作品として提示する職能ではなかったのか というのが彼らの立場だ。

彼らは素人には決して撮ることのできないような、非日常的な風景や時代や場所が全く判らないような風景を撮る。人によって全く異なるスタイルを持ち、面白いものあれば、当然あまり好きになれないものもある。

ただし、スタイルは違うものの同じく現状への批判性から生まれたロッテルダムの写真家達ということで、キュレーターは彼らを ロッテルダム派 (DE ROTTERDAMSE SCHOOL?) とハテナ付きの仮称で定義している。

世の中の潮流に対して批判性を持ち、自らの立場をはっきり示すという作業はとてもよくわかる。ある意味オランダ的といってもいい。例えばベルラーヘ・インスティチュートでの批判性を持ち自らの立場を明確にするという議論の的と非常の多くの面で重なりを感じるからだ。

1980年代始めに写真家が何気ない日常への美意識を生み出し、それに対する批判として2010年代始めには非日常的な誰も見たことの無い風景を目指し始めた。

そんな美意識の大きな変換は多少の時間のヅレを伴うものの必ず分野を越えて広がりを持つはずだ。

ジェネリックな家型や、シンプルな箱、といった今の建築家が見ている美意識から、それに対する批判として非日常的な誰も見たことの無い風景を目指す建築家が現れる日が近いのかもしれない。

DE ROTTERDAMSE SCHOOL?_d0183261_9494577.jpg


Top▲ | # by murakuni1975 | 2010-12-09 10:06
| ページトップ |